保険見直しプロジェクト TOP > 保険を知る > 生命保険の2つの考え方

生命保険の2つの考え方
It knows insurance.

掛捨て保険 と 貯蓄性保険

「生命保険は掛捨てにしなさい!」という言葉を聞いたことがあると思います。
当然、私のところにも
「掛捨てでできるだけ安い保険が欲しいのですが」とか
「掛捨てがいいと聞いたのでどこの掛捨て保険が安いですか?」
といった 類の質問が多く寄せられてきます。
私が今まで相談を受けてきての率直な感想としては、
「掛捨てがいい!」
とは聞いているが、何がいいのかわかっていないような気がします。
実際のところ、保険料というのは安いものに越した事はないと 思います。生活費の一部なんですから そりゃそうですよね。
しかし、「安い掛捨て保険」=「安い最低限の住宅」と考えてみて ください。※掛捨て保険すべてではありませんよ。
自分の人生設計や年収、希望の間取りなどの判断もなく
「安い最低限の住宅が欲しい」
と思われる方はいるでしょうか?
違いすよね。
住宅の場合は一生のものだという考えからすごく真剣に考えら れる方が多いと思います。
自分の買える範囲で、できるだけいい住宅が欲しいと誰しも 思うものです。
では車の場合はどうでしょうか? 車の場合、好きな方は自分の 好みの車を徹底的に調べたりします。 また多少予算オーバー であっても欲しいものなので無理してでも 買ったりします。
では保険の場合はどうでしょう。 保険というものは元来金融商品 ですので、お金の好きな方にとっては 調べると非常に面白いもの なのです。
しかし、みなさん詳しく調べたりする方は住宅や車などと比べると 圧倒的に少ない気がします。
内容をよく理解せずに買う商品の最も高価なものが保険である とも いえるでしょう。
ですので、テレビや雑誌などで「掛捨て保険がいい」と報じられると 「掛捨てがいいんだ」と思われる方が多くなってしまうのですね。
では、掛捨て保険と貯蓄性保険で一体どちらがいいのか?
ちょっとここで双方のメリット・デメリットを列挙してみます。


■掛捨て保険(一般的には定期保険のこと)


掛け捨ての生命保険の代表例


メリット
・保険料が安い
・保険料の割りに保障が大きい

デメリット
・その期間何も保険支払い事由がなければ払った金額は 戻らない。
・保険料が更新されて高くなることがある。(更新型の場合)


■貯蓄性保険(終身保険、養老保険、学資保険など)


メリット
・支払ったお金の多くが貯まる
・一生涯の保障を得ることができる(終身保険の場合)
・保険料の更新がないので保険料が一定

デメリット
・保険料が定期保険に比べると割高
・保険料の割りに保障が少ない
以上列挙してみました。


このことについて少しづつ見ていきたいと思います。
掛捨て保険の最大のメリットは安い保険料で大きな保障を得る ことができることです。
これは定期保険のもつ最大かつ最高のメリットです。
では実際にこの保険金を受け取られる方の割合というのはどれ くらいいるのでしょうか?
皆さんのまわりで、多額の死亡保険金を受け取られた方はどの くらいいらっしゃる でしょうか?
そうですね。あまりいないのですね。
この保険は確かに万一のことがあれば 非常に遺族の方にとって はありがたい保険になるのです。
しかし、万一のことというのは文字通り万が一なのです。
ですからこの期間に何もない場合、保険料が全て無駄になると いう デメリットも当然考えておく必要があります。
毎月1万円の掛捨て保険は1年で12万円になります。 これを30年 支払うと360万円です。
ただこれは全期型(最初から30年と決めておくこと)の場合です。
日本人の多くの方が入っている更新型(10年ごとに更新する)は もっと多額の保険料を支払うことになります。
例えば最初10年は1万円、次の10年は1.5万円、その次の10年 は2.5万円、これで計算してみましょうか。

120万円+180万円+300万円=600万円

600万円ものお金を支払い、万一のことがなければ0円。あれば 3,500万円。
こういった事実を知っておく必要があると思います。
では次に貯蓄性保険について見ていきます。
貯蓄性保険のメリットは何といってもお金が残るということです。
ですから、ある一定の期間保険に加入した場合、その満期時期 あるいは 払込終了後、解約することによってお金を受け取れる ことにあります。
それなら絶対貯蓄性保険の方がいいように聞こえます。
しかし、貯蓄性保険と掛捨て保険の大きな違いは保険料に対して の保障が少ないことなのです。
例えば40歳の男性が60歳までに死亡保障3,000万円欲しいとします。
掛捨て保険の場合は毎月15,000円だとします。 貯蓄性保険の場 合は毎月12万円または8万円ほどのお金が必要になってくるの です。
払えないですよね。
ですから大きな保障を必要とし、尚且つ収入が少ない家庭におい ては 貯蓄性保険は手の届かないものになる可能性があります。
ただここで考えなければならないことがあります。
実際に保障ってそんなにいるのでしょうか?
このホームページでもお伝えしている通り、サラリーマン世帯で あれば大きな保障は それほど必要ではありません。
またイギリスや米国、スイスなどと比べても日本人の生命保険の 保障額というのは飛びぬけて大きいものです。
要するに、保険は掛捨てで何かあった時にトクするようなものだ という意識が非常に高いのが日本人なのです。
また最近保険は掛捨てにしなさい!といったような本や雑誌なども たくさん販売 されています。
確かに掛捨て保険がいいケースもありますが みんながみんな 合っているとは言いがたいでしょう。どの家庭においても車の好 みや住宅の好みは違いますよね?
ですから適正な保障額を算出し、本当に掛捨てでよいのか それとも貯蓄性で 将来の自分達の老後資金の足しにするのか どちらが自分達に必要なのかもう一度良く考えてみてください。
自分に万一の確率はどの程度ありますか? 自分が老後生活を 迎える可能性はどの程度ありますか?
自分はどちらの可能性の方が高いでしょうか?
どちらがよいという事はありません。
要するに使い方なんですね。

このページの先頭へ